目を閉じて象をなでる

雑談ではギリギリ出てこないような思いつきとか、考えなどを。全体としては人生を祝福する方向性でまとめていきます

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 「憂い顔の童子」を読み始めて3日後の今日、大江健三郎が亡くなったというニュースを読んだ。ショックはなかった。88歳だものね。それでも悲しい気持ちが持続したまま消えてくれなくて、悲しいときは仕事をするに限るので、今しがた22時まで集中してゲラに赤入れをしていた。でもまだ悲しい。今日はこのまま眠ることになるんだろう。多感なころ彼の作品を読んでいなかったら、今のように文章を読む自分も、今のように文章を書く自分もいなかったし、散歩しながら「魂」なんてことについてボンヤリ考える自分にもならなかった。多くの大江作品に伝わる伝承通り、彼の魂がふるさとの深い森の中に宿ることを願う。